2回観てやっとわかる

2回観てやっとわかった。『リンダ リンダ リンダ』は完璧な映画だ。

完成度の高いプロット、気の利いた演出、生き生きとしたキャラクターの三拍子がそろった映画なんてもんは、いいスタッフといいキャストが集まれば作れるんだろうけど、『リンダ リンダ リンダ』はもう、誰の何がどう作用してこうなったのか全然わからないような奇跡的なシーンが、途切れることなく次から次へと襲いかかってくる。いわゆるそのへんの出来のいい映画とは完全に別次元。

恵(香椎由宇)の元カレのツテでスタジオを借りるシーン。ひさしぶりに再会した元恋人どうしは、なんとなく気まずうれしい感じなんだけど、残りの3人がろくにセリフもないまま醸し出す微妙な体温上昇感とか、あと、スーパーでただ4人が夕飯の食材を買うシーンの幸福感とか、いったいどんな才能があって、どんな映画脳のどこをどう使ったらあんなシーンが撮れるのか。

なんかいくら言葉で賛美してもムダなんで、そろそろやめよう。もうあとは、黙って何度でも観るしかない。


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