『AIR』鑑賞日記 その1

AIR』というTVアニメをDVDで観た(「Vol.1」つまり第2話まで)。Keyという会社の大ヒットゲームのTVアニメ化作品。ええと、オレは『Kanon』というゲームをやったことがあって、まあ、エロゲーなりに、SFであるとかファンタジーであるとかミステリーであるとかシナリオは意欲的だし、エロゲーなのにエロじゃないとかいろいろあるんだな…と当時はすごく興味を持ったのだが、なにしろゲームは時間がかかるのでKeyの作品も以降ノータッチだったわけです。

そしたら、そのあとの『AIR』も大ヒット。さらに『CLANNAD』という作品も出たみたいで、完全に置いてかれた状態に。でもさいわい『AIR』のDVDを一気借りすることができたので、観てみることに。なんか制作会社の「京都アニメーション」が最近評判いいし、観たかったんだよな。あと、ゲームの方は完全にやってる時間なし。あきらめます。ゲームやるなら何より『MOTHER3』が先だよ。

えーとね、とりあえず、あの静止画とコマンドで展開するAVGが“そのまんま”アニメになって動いてるな、と思った。というか、本とかAVGみたいに読み手に時間の主導権があるものって、それを(観客に時間の主導権のない)映画に移行するときって、その違いをどうするかという苦労があるわけじゃない。でもこの『AIR』はかなりそのへんを意識して放棄してるね。ゲームがまんまアニメ映画になったという感触がある。このアニメがゲームのファンに歓迎されてるのってそのへんにあるんだろうな。そのかわり、普通の映画などの物語文法がまるでないので、エロゲーとは無関係に生きている人が観てもまったく入れない。で、どっちが正解かと言うともちろん前者。だからこのアニメは勝利したのでしょう。

いやオレ、オタ・非オタ間のコミュニケーション問題みたいなことってどうこう語る気ないし(ていうか、論じてどうなるもの? 一生懸命考えてる人もいるみたいだけど。あれって全部、論者が自分のために、自分の問題を解決したいから、あんな一生懸命なんだよな。オレ、あんま関係ないし)、どうでもいいんだけどね。そんなの答えが出るわけもないのに、半端に一般化させて失敗しているものが多い。本当にシリアスな問題だけに、半端なことするくらいなら隔絶したままのがマシ。

そういう意味でこのアニメ、よくできてると思ったよ。だってキャラクターが(おそらくファンが)動いてほしいとおりに細かくちゃんと動いてるんだよ。もう、それだけでいい。そういうことからちゃんとやっていこうよ。そんな気概があるよね。たぶんいままでの不評なアニメ化作品って、このへんができてないのに、アニメ映画としての文法みたいなものは確保しようとばかり考えてきたからうまくいかなかったんだろうね。

ところで『AIR』ってヒロインが3人しかいないのね。すごい。そんなとこからも作り手が成功の確信を持って作ったヒット作って感じがする。今後の展開に関するオレの関心事は、キャラの立ち具合と、ストーリー展開がどうなるか、どんな仕掛けが来るか、あたりかな。「空を飛んでどうこう」っていうテーマ方面(?)って興味ないんだよね。オレってそういう人間。あと、神尾観鈴という(いまのところ)主役っぽい女の子の声が川上とも子で驚いた。あんな萌え声出せるのね。「ガオ」とか言って。


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