続々・嫌われ松子祭り

中島哲也監督『夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY』(1997年/サッソ・フィルムズ)を観る。祭りはとりあえずこれでおしまい。

こっちはすごく気に入った。田舎の小学生男子を主人公に、彼から見た大人たちと世の中の不思議、自分の未来の不思議を描いていく。そのカギとしているのが、彼が女性の価値を「おっぱいの大きさ」ではかるところ…というとちょっと映画の雰囲気を誤解されそうだな。「自分はおっぱいの大きな女の人が好きなはずなのに、なんで、ペチャパイで特にかわいくもないアイツが気になるんだろ?」という、小学生ならではの恋の気持ちの不思議を瑞々しく描いてます*1

中島監督の映像はスタイリッシュだけど、人の気持ちの動きにやさしく寄り添う。千葉県の佐原市(市町合併により現香取市)でロケした、夏の空気感までもとらえたようなヌケのいい映像も魅力。『下妻物語』とはだいぶ雰囲気が違うけど、なんとなく根底につながるものを感じた。いや『下妻』って最初テレビスポットか何かで観たとき、「またスタイリッシュなだけの薄っぺら映画が出てきたな」って思ったんだけど、観たら全然違ったからね。


夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY [DVD]


夏時間の大人たち

*1:というか、そんなにおっぱいのことばかり気にしてる映画じゃないんだけど…なんかうまく書けない。そうそう、登場する小学生たちが気にしてることといえば、「逆上がり」も需要なカギとして使われています