三池崇史のウルトラマン(続き)

ウルトラマンマックス』のDVD第5巻を観終わった。

まず「第三番惑星の奇跡」は、結末が完璧に予想どおりだった。いや、きちんとテーマを全うした狙いどおりの仕上がりだと思うけど、でも、『マックス』としては異色だよな。ストーリーが異色というよりは、なんか肌触りが違う。そもそも、ふだん怪獣の攻撃による焼け跡描写ってないしね。ないのがおかしいのか? ウルトラマンにはなくてもいいのか? よくわからん。

そして「わたしはだあれ?」。3匹の宇宙怪獣(宇宙化猫)、タマ、ミケ、クロによる何かの作用で人々が記憶障害に。自分が何をすべきか、互いに何者か、すべてがわからなくなって混乱状態に陥るDASHの面々の描写が見どころ。ちょっとしつこかったけど笑えた。

この2話は異色だとか、ふざけすぎとかいって嫌われるのかな? でも、このあとの2本「氷の美女」「アカルイセカイ」のダメっぷりを思うと、この三池2作品は歓迎せざるをえないと思うけど。いや、「氷の美女」はもう論外なんだけど、「アカルイセカイ」は惜しい。こういう「ふざけた態度で侵略に臨む、根性の曲がった、しかし手強い」宇宙人を描くなら、そのアイデアとプロット(とゲスト俳優の佐藤正宏の演技)だけで満足しないで、もう一ヌケ何かないと。その辺は脚本、演出家の人間的度量なんだよな。「アカルイセカイ」はなんか小さい。『ダイナ』にミジー星人がしつこく出てきたときにも、似たような感触があった。

あともう一つ、『マックス』はサブタイトルの文字デザインが毎回バラバラでなんか見苦しい。『ウルトラQ dark fantasy』も同様だったけど、どういうつもりなんだろう? まさか『ウルトラQ』(オリジナルのほう)の毎回の雰囲気に合わせたサブタイロゴ、あれを踏襲しているつもりとか? まさかね?


ウルトラマンマックス 5 [DVD]