糞や大地みたいな人

糞や大地のように穀物や草や人を育てる…そんな人に私もなりたいと思いました。


というわけで、長らく観てきました(←ウソです。全20話、あっという間に観てしまいました)『威風堂々な彼女』、ここに全編の完結となりました。


【以下、物語の大筋を明かしています。注意!】


イ・ウニのように糞や大地のようになれた人、そして、そんなウニを大きな愛で支えてきた人たち。そんな勝ち組キャラに思いきり感情移入してハマれた、というのもあるけど、このドラマ、何がいいって、いわゆる主人公をさんざん苦しめる悪役を突き放さないところ。それも、最後に勝った主役側の人たちの慈悲によって救われるんじゃなくて(←ここ止まりのドラマはよくあるよね)、大きな器、大きな愛を持ったヤツだけに人格が認められるんじゃない。欲とか、嫉妬心とか、そういうものに負けてしまう弱さだって人間らしさなんだ…っていう視点が作り手にちゃんとあるところ。

特に終盤のウニの姉、イ・クミの悪役っぷりはたいへんなもので、「クミ役の女優、こんな損な役よくやるなあ」と観ているこっちが心配になるほどなんだけど、その女優、ものすごい熱演なの。それもやっぱり、脚本とか、プロデュース側が、何をやりたいのかしっかり示して、納得のうえで作っていったからなんだろうなと、最後まで観終わり納得しました。

しかし後半のペ・ドゥナ=イ・ウニはよく泣いた。でっかい目から涙ポロポロこぼしながら。あんまり泣きすぎて目玉が取れるんじゃないかと心配になるほど。いや、ホントに、ペ・ドゥナ=イ・ウニと一緒に泣いて笑って、こんなに入り込んで楽しみきったドラマはひさびさですよ。やばいなあ。オレのペ・ドゥナ病は当分の間、治癒しないと思います。

あと、ちょっと余談。ストーリー的に最大の焦点となっている部分(クミとウニの入れ替え)は、観ている側にもちゃんとネタを明かした上で話が進んでいくんだけど、もうひとつ、それよりちょっと小さな謎を終盤のフックとして残しておくというテクが憎かったね。「上手い! やられた」とちょっとよろこんでしまった(悲しいシーンなんだけど…)。あとは驚愕のラストショットかな。思いきって言っちゃえば、エヴァンゲリオンの劇場版のラストを超えたかもね。あれは。


威風堂々な彼女 DVD-BOX 2